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心臓ドックにカテーテル検査に代わる冠動脈CT検査導入の流れー特に虚血性心臓病の早期発見・早期治療をめざしてー

 心臓に血液を供給する血管が細くなり、一時的に心臓の筋肉への酸素の供給が不足した状態を狭心症といい、また心臓血管の細くなったところが詰まって酸素と栄養が供給できなくなり、その先の心臓の筋肉が死んでしまうのが心筋梗塞です。通常の心電図検査だけで、心臓の異常の全てが診断できるわけではありません。心筋梗塞の2~3割は、無痛性心筋梗塞と呼ばれ、前兆が全くないままに突然死に至ることもあります。現在、早期に発見された狭心症などは比較的容易な治療で改善しますが、重篤な心筋梗塞の場合、残念ながら手遅れになるケースもみられます。
そこで心臓病による突然死を回避するためには、狭心症の診断を早期に行うことが重要であり、無症状の狭心症であっても、それを早期に発見しようとするのが心臓ドックです。また、心電図・胸部X線に加え、心エコーやトレッドミル検査をする程度では、かなりの頻度で、偽陰性(本当は虚血性心疾患があるのに、結果は陰性で、放置されることになる)の症例が見られます。このような症例を絶対に見落としてはならないのです。

☆虚血性心臓病の早期発見に有効な心臓CT検査
 動いている心臓の表面を走行する冠動脈は、従来のCTでは撮像することが出来ませんでした。近年、放射線画像診断装置の技術は飛躍的に向上し、64列マルチスライスCTと言う高性能診断装置が、普及しつつあります。これまで虚血性心疾患の最終診断は心臓カテーテル検査でした。しかし、この検査は、患者に恐怖感・痛み・危険性を与え、また入院が必要なため経済的・時間的な負担をもたらすことになります。

 冠動脈CT検査は、心臓カテーテル検査に近い血管の情報が得られます。また、より安全で、経済的・時間的にも負担が少なく、心臓カテーテル検査に代わる新しい診断方法として注目されています。ベッドに寝ているだけでよく、約10秒間の息止めをするだけで、心臓全体を撮像することができます。
また、撮像されたCTデータは、数分から10分程度で、冠動脈の内腔の狭窄度と、心臓カテーテル検査では見ることができない冠動脈壁の性状までを診断することができます。冠動脈CT造影により、動脈硬化の進展程度を評価し、狭心症や心筋梗塞などの早期発見に有効であり、早期治療につながります。心臓ドックはこの検査を組み込むことにより、冠状動脈の動脈硬化病変を有する人の危険因子を早期に是正し、必要に応じて心筋梗塞の薬物治療を受けるきっかけとなります。虚血性心臓病の予防に非常に有効と思われます。 

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