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危惧される『新型インフルエンザ』の強毒ウイルスへの変異-今のところ「弱毒」だが油断は禁物-

4月末、メキシコと米国に端を発した『新型インフルエンザ』は、瞬く間に世界中に拡大し、1ヵ月もたたぬうちに感染者が1万人を超えました。5月中旬には日本国内初の感染者が確認され、すわ、パンデミック感染かと思われる拡がりをみせ、8月現在でも全国各地でかなりの感染報告があります。
 幸いにも今の原因ウイルスは「弱毒」と考えられる程度で推移しています。ただ、現在冬を迎えつつある南半球のオーストラリアでは、感染者が急増しており、ヒトからヒトへの感染でウイルスの変異がおこっていないか、注目する必要があります。
 (パンデミック感染…感染が長期的に多数の世界各国、地域で連続的に起こる場合をいう)
 今回は、『新型インフルエンザ』の基本的な注意点について述べます。

☆『新型インフルエンザ』ウイルスによるパンデミック感染と通常の季節性インフルエンザの流行では、どこが違うのでしょうか?
 通常の季節性インフルエンザは、毎年冬季に流行します。毎年人口の10%~20%程度の人々が感染し、症状としても重篤な基礎疾患をもつ患者以外、何ごとも無く回復します。
また、季節性インフルエンザ用のワクチンが開発されており、流行前に使用可能な状態になっています。
一方、『新型インフルエンザ』によるパンデミック感染は、30~40年に一度くらいの頻度で発生し、季節も冬とは限りません(20世紀には3回発生しています)。
この『新型ウイルス』には世界中の誰もが遭遇していないため、基礎免疫をもっているヒトがいません。そのため世界中で多くの人が罹患し、重症者や、死亡者も出ることが予想されます。『新型インフルエンザ』ワクチンは、実際にウイルスが出現してから製造に入りますので、流行の早期には間に合わないと考えられています。パンデミック感染となれば、膨大な数の患者、さらに医療従事者の罹患もあわせ、医療機関の対応能力を超え、医療システムそのものの破綻が危惧されています。

☆毎年使用されているインフルエンザワクチンは、『新型インフルエンザ』に効きますか?
現在使用されているインフルエンザワクチンには、将来起こりうる『新型インフルエンザ』のウイルス成分が含まれていないため、効果が期待できません。現在流行しているH5N1亜型ウイルスによるパンデミック感染が起こった場合には効果がない、ということです。

☆『新型インフルエンザ』のワクチンは何時できますか?
ワクチンの製造は、まず国立感染症研究所が『新型ウイルスワクチン』の「種株」を作成し、医薬メーカーに引渡してから製造が開始されます。早ければ、製造開始から6ヵ月ほどで供給可能です。しかし、製造に使う鶏卵数などに制約があるので、季節性インフルエンザワクチンを例年通り製造しつつ、『新型ウイルスワクチン』も必要量を製造することは不可能とされています。季節性インフルエンザで重症化する人も毎年多数いるわけですから、季節性と『新型』、それぞれのワクチンをどのような割合で製造するかは、国の判断に委ねられています。

誌面の都合で、『新型インフルエンザ』に対する具体的対処については述べることができませんでした。現在「弱毒」といわれているウイルスが、密かに「強毒」ウイルスに変異し、パンデミック感染になる恐れは充分あります。『新型ウイルスワクチン』が完成、供給されないと、感染を防ぐことは難しい面もありますが、1人1人が『新型インフルエンザ』への関心を高め、専門家の指導に従って行動していただくよう切にお願いします。 

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