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息切れは危険信号!重大な疾患が潜んでいることもある

 健康な人でも、急激な運動をすると息が切れます。ただし、日常において、息切れや呼吸困難と言った症状がある場合は、心臓、肺、脳などに異常が起きている可能性があり、中に怖いものがあります。息切れそのものは肺の症状なので肺の病気が多いですが、肺に影響を与える他臓器、例えば心臓や血液などの病気が原因で息切れが起こることもあります。生命に関わる重大な疾患が潜んでいることもあり、油断できません。
 息切れが強いときは、酸欠気味になっていることが多く、体は何とかしてその不足分を補おうとします。いわゆる肩で息をする「努力呼吸(どりょくこきゅう)」です。不足分が補い切れなくなると、意識を失なうこともあります。息切れはそういう意味で危険信号の症状なのです。特に、安静にしている時でも息切れが出る場合は注意が必要で、それだけ体に余裕がないことを現しているため、早めに病院を受診するようにしましょう。

☆息切れが起こる主な肺の病気とは
◆COPD(慢性閉塞性肺疾患)
 タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入することによって起こる肺の炎症性疾患です。従来、慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた病態を包括して、近年では国際的にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ぶようになりました。最大の危険因子は喫煙で、喫煙者の20~30%に発症すると言われています。40歳以上の8・5%、約530万人がCOPDにかかっていると考えられています。
 典型的な症状は、慢性の咳(せき)や痰、体動時の息切れです。COPDはゆっくりと進行し、これらの症状も重症になってはじめて現れることが少なくありません。息切れは、最初は階段や坂などを登る時につらい程度から、平地でも息切れが起こったり、さらには会話や衣服の着脱などでも息が切れてきます。
◆気管支喘息
 咳や痰が出て、ゼイゼイ、ヒューヒューという音(喘鳴(ぜんめい))を伴った発作を繰り返します。発作の多くは夜中から明け方にかけて起こります。会話もできないような状態なら、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。
◆特発性肺線維症
 肺が硬くなるため、息を吸っても肺が広がりにくくなり、肺としての機能が弱まります。
◆その他
 肺がん、気胸、肺塞栓(そくせん)(肺梗塞)、胸膜炎による息切れも急を要します。

☆息切れが起こる主な心臓の病気とは
 心臓を原因とする息切れで、心不全に陥ると、肺の中に水分が溜まり、「肺水腫」と言う状態になり、呼吸困難を引き起こします。呼吸困難は上半身を起こすと楽になるため、息苦しくても横になれません。危険な状態なので直ちに救急車を呼んで病院へ連れて行く必要があります。  狭心症が悪化して心筋梗塞になると心不全を起こし、息切れや呼吸困難が起こることがあります。その他、心不全の原因として代表的なものとして、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患があります。

☆貧血や出血
 酸素を組織へ運ぶ赤血球数が減少するために、からだ全体が酸欠気味になり、呼吸困難を起こします。出血が原因のときは、血液そのものが悪くなくても貧血が起こります。

☆精神的なものが原因で起きる息切れ
◆過換気症候群
 精神的な原因がある場合、肺そのものは悪くなくても、十分な空気を吸い込めないように感じるため、呼吸が激しく速くなることがあります。「過呼吸」によって、血液中の二酸化炭素濃度が低下し手足や口の回りにしびれた感じがすることがあります。
 以上のように、息切れ症状が見られる場合、かかりつけ医に紹介状を書いてもらって、できるだけ早く呼吸器科や循環器科を受診することをお勧めします。

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