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暑い日には家の中でもご用心!高齢者の熱中症

ここ数年の夏、熱中症のため救急車で運ばれる患者さんが急増しています。特に高齢者は、若い人に比べて熱中症になりやすく、生命にかかわることも稀ではありません。熱中症は、熱が体内にこもって起こるさまざまな症状の総称です。通常は、体温が上がり始めると、汗をかいて気化させたり、皮膚の血流量を増やしたりして、熱を皮膚から逃し、体温を一定に保とうとします。この熱の放出がうまくいかなくなり熱が体内にこもって起こります。

熱中症は最高気温29~30℃から
 熱中症の発生状況について国立環境研究所による報告があります。
① 最高気温と熱中症の発生件数
 最高気温が29℃~30℃あたりから患者さんの発生が見られ、33℃、34℃を超えると急激に増加します。
② 年齢と熱中症の症状
 0~18歳では大半(78%)が軽症ですが、高齢になるにつれ、重症の割合が増加、65歳以上では軽症40%、中等症51%、重症・重篤10%でした。
③ 熱中症の発生場所
 室内(住宅)での発生が20%以上もあります。
 熱帯夜に、睡眠中に亡くなる高齢者の方も少なくありません。

なぜ熱中症はそれほどに危険なのか
 体温を下げるための大切な方法として、人は汗を出します。 汗が蒸発するときに、体内の熱が一緒に放出されます。しかし、大量の汗をかきすぎると、体内の水分が不足して脱水状態となり、血流が悪くなります。同時に、汗と一緒に体内の塩分が失われ、血圧が低下します。
そうすると、汗を流して体温を下げようとしても、汗にする水分がなく、血液もドロドロ状態となり、体内に熱がこもり、その結果、全身の機能がマヒして熱中症となり、死に到ることもあります。

熱中症予防の3つのポイント
1.体を上手に冷やす
 高齢者に多い睡眠中の熱中症予防には、エアコンや扇風機を上手に利用しましょう。エアコンを使用する場合、体を冷やし過ぎないように設定温度は28℃位にしましょう。但し、かけっぱなしにせずタイマーを使い、寝るときにはクーラーを切るようにしましょう。

2.塩分を摂る
 熱中症に欠かせないのが水分補給と塩。暑い日に外出するときは、1リットルのペットボトルの水に塩3gを混ぜた手製の飲料を用意すると便利です。また、糖分が少ないスポーツドリンクも理想的です。

3.水分を多めに摂る
 気温35℃超える猛暑なら、1日最低2.5リットルの水分を摂りたい。食事の水分以外に飲み物として別に約1.5リットルを摂るようにします。ただし、一度に大量の水を飲んではいけません。一時に大量の水を摂ると、体内のバランスを保つために尿の排出を促すことになり、脱水症状からの回復を遅らせます。

見過ごしてはならない熱中症の初期症状
 初期の段階で、その症状を見逃さないことが大切です。夏の暑い時期に、次のような症状があらわれたなら、それは熱中症の症状と見て間違いありません。
1.体が熱くほてる
2.足がフラつき、体が思うように動かなくなる
3.集中力がなく、頭がポーッとする 
4.手足にけいれんが起こる 

熱中症の応急処置
(1)熱を急速に下げたいときは、体の表面に霧吹きで水を吹きかけてから、扇風機にあたると、気化熱で一気に体の熱が放出され、涼しくなります。

(2)熱中症で倒れた場合の応急手当
①涼しい場所に移動させる
 木陰や冷房の効いた部屋など、涼しい場所に移動させ、ベルトなど体を締め付けているものを緩めてあげます。
②意識の有無を確認する
 患者さんの耳もとで呼びかけたり、肩を軽くたたいたりして、反応があるかどうかを調べます。反応がない場合、すぐに救急車を呼んでください。
③水分を補給する
 患者さんの意識がある場合は、水分をゆっくり補給します。
④体温が高い場合は体を冷やす
 体の熱が高い場合は、意識の有無にかかわらず、一刻も早く医療機関で治療を受けることが大切です。救急車が来るまでの間は、できるだけ体温を下げる必要があります。先ほど説明した、水を吹き付けてから扇風機で風を当てたりする方法のほか、体の動脈が通っている部分を氷などで冷やすのが効果的です。冷たいタオルや氷のうを、首、わきの下、足の付け根などに当てて体を冷やし、体温を下げるようにします。

 高齢者の熱中症は、重症・重篤になることがあるので、高齢者のいる家庭では、日頃から周囲の人が気をつけてやってください。 

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