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最近意欲が湧かない…それは男性更年期障害では? ~「LOH症候群」とも言います~

最近、何事にもやる気が起こらない、疲れやすい、うつ病では?、と外来患者の男性に度々聞かれます。実は、その中には男性ホルモン低下が原因の男性更年期障害と言われるものがあります。更年期障害と言えば女性の悩み、とされたのはずいぶん前のことで、今や男性更年期障害も広く認知されつつあり、「自分もそうではないか?」と診察を求める人も少なくありません。
この男性更年期障害は「LOH症候群」(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています。「LOH」とは英語の「Late Onset Hypogonadism」の頭文字をとったもので、日本語では「年をとってから起きる、つまり加齢に伴う男性ホルモンの低下」と言う意味になります。

☆「LOH症候群」の発症
女性の更年期障害は、40歳代半ば頃から起こることが多く、そのきっかけになるのが「閉経」です。ところが、男性ホルモンは加齢に伴って徐々に低下し、きっかけになるものはありません。男性の更年期障害は女性の場合に比べて分かりにくいと言えます。また、女性の更年期は閉経期をはさんだ数年間であるのが一般的なのに対し、男性更年期障害は概ね40歳以降、60代、70代でも発症の可能性があり、しかも女性より長期間辛い思いをすることもあります。

☆「LOH症候群」の症状
男性ホルモンは強い筋肉や骨をつくったりする他、物事を判断したり、記憶すると言った「認知力」などに関わっていると考えられています。男性の性機能にも重要な関わりがあります。
男性ホルモンが低下すると、次のような症状が現れてきます。
◎身体症状:男性ホルモンには、筋肉を増やして脂肪を減らす「抗肥満作用」があります。そのため、男性ホルモンが低下すると、内臓脂肪が増えて「メタボリックシンドローム」や「糖尿病」などを起こしやすくなります。

◎精神症状:記憶力の低下や意欲の低下、「うつ様症状」などが起こることがあります。「LOH症候群」の精神症状と中高年に起こる「うつ病」は非常に似ているので、中高年で「うつ病」を発症し、抗うつ薬などの治療では改善しない場合、一度男性ホルモンの値を調べてみるとよいでしょう。

◎性機能症状:性欲が低下したり、勃起障害(ED)が起こったりすることもあります

☆男性更年期障害を乗り切るために
日常生活に支障があれば、一度泌尿器科などを受診しましょう。そこで男性ホルモンの値や精神、性機能の状態などから男性更年期障害を確定します。
「LOH症候群」は、加齢と共に男性ホルモンが低下するために起こり、早い段階で受診して適切な治療を受けることが大切です。
筋力の低下やひどい発汗、ほてりやのぼせなどがある場合は、「LOH症候群」が疑われます。また、憂うつな気分になる、不安感がある、早朝勃起の回数が減少したり、性欲の低下があるなどの場合も、「LOH症候群」の可能性があります。
これらの症状は、1つだけを見ると「たいしたことはない」などと思われがちです。しかし、例え1つでも、日常生活に支障を来すほど辛い症状があれば、医療機関を受診することが望まれます。
受診する診療科は、基本的には泌尿器科が勧められます。泌尿器科では、男性ホルモン値の測定や、それに基づく性機能障害に対する診療が行われているためです。最近は「男性更年期外来」という専門外来も増えているので、近くにあれば、そちらを受診するのもよいでしょう。

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