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早期発見が難しい小腸がん

小腸がんは、患者数が極めて少ない希少がんの1つです。人口10万人に対して1年間に新たに小腸がんを発症する人は、男性2・61人、女性1・77人という推計値があります。同じ消化器の胃がんや大腸がんと比べると、とても少ない割合となっています。小腸がんの早期発見が非常に難しい理由は、主に2つあります。

①病気の初期に自覚症状が出にくいこと
②もう1つは通常の内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)では小腸まで届かず、検診による発見が難しいこと。
 そのため小腸がんは、進行した状態で見つかるケースがほとんどです。

〈症状〉
 小腸がんは、早期では無症状です。また通常の内視鏡による上部消化管検査では十二指腸より奥の観察が難しいため、小腸がんの早期発見を困難にしています。従って大半の小腸がん患者さんは、腹痛や原因不明の体重減少、血便などがあり、進行すると吐き気、嘔吐などのイレウス症状が現れることがあります。このため便潜血検査や上記の症状を機に受診し見つかることがあります。また出血による貧血、腸重積、穿孔による腹膜炎症状などがきっかけで発見されることもあります。

〈検査〉
①小腸内視鏡検査
 バルーン内視鏡を用い、上部消化管内視鏡検査に準じて口から挿入する方法と、大腸内視鏡検査に準じて肛門から挿入する方法があります。消化管出血、小腸腫瘍、炎症性疾患などを直接観察し病変部の組織を採取(生検)し、病理診断を行います。

②カプセル内視鏡検査
 口から飲み込んだカプセル内視鏡が消化管の蠕動運動によって消化管内部を移動し、内蔵されたカメラが撮影した画像を体外に送信、画像検査を行います。

③造影CT検査
 小腸の腫瘤や小腸壁の肥厚、狭窄に加えて、リンパ節腫脹や異常血管の存在など消化管以外の情報を得ます。腫瘍の発見頻度は上昇傾向にあるとされています。

〈治療〉
 悪性腫瘍の治療主体は手術です。原発性小腸がんに対しては、リンパ節を含めた腸管の切除が行われます。手術で切除不能な場合、または転移性小腸がんに対してはバイパス手術や放射線治療、化学療法が行われます。バイパス手術は、がんにより小腸が閉塞した場合に行われる手術で、胆のうや胆管を直接小腸につなぎ、新たな通り道をつくります。

 小腸がんは、発見されたとしてもステージの進行、転移したケースが多く、今後の治療方法の進歩が望まれる病気といえます。

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