インプラント手術がやっと終わって安心していたところ、周囲炎が起り痛い思いをした方もおられるのではないでしょうか。インプラント周囲炎は手術を受けた方の10~30%程度の方々に発症すると報告されている、インプラントの周囲の組織に炎症が生じてインプラント周囲の歯槽骨が溶けてしまうトラブルです。進行するとあごの骨が溶けたり、インプラントが抜け落ちることにつながります。
☆インプラント周囲炎とは
インプラント治療は、自分の歯が失われた時に人工の歯に置き換える治療法で、金属製ボルトをあごの歯槽骨に直接植え込みます。最近話題の治療法ですが、インプラントを入れた後、歯周病によく似た病気で、インプラント周囲の組織に炎症が起こるインプラント周囲炎を発症することがあります。これは、一般的な歯周病よりも進行が早く注意が必要です。インプラントや部分入れ歯、ブリッジなどの義歯があると磨き残しが増えやすく、歯周病が起りやすいと言われています。中でも、インプラントは、一旦歯周病が起ると一般的な歯周病よりも急速に進行することがわかってきました。インプラント治療を受けてから3年以上経った患者さんの約1割にインプラント周囲炎が起こっています。インプラント周囲炎は、一般的な歯周病と同様にプラークや歯石の中にある歯周病菌が毒素を出すことで起こります。そのままにすると歯と歯茎の隙間に歯周ポケットができ、そこに歯周病菌が入り、進行すると歯槽骨が溶けてインプラントを支え切れなくなります。最悪インプラントを摘出しなければならなくなります。炎症が落ち着いても新しいインプラントは入れられますが元のものは入れられません。
インプラント周囲炎はまた進行が早く歯周病の2~5倍の速さで進行すると言われています。その理由は治療を受ける際に歯の根元と歯槽骨の間にある歯根膜が失われるためとされています。歯根膜の中には炎症を抑える免疫細胞があって、歯が失われると歯根膜も一緒に失われ、インプラント周囲の歯周病菌が増えやすく進行が早くなる、と言われています。
☆インプラントの周囲にも歯石はできる
インプラントは歯槽骨と直接結合しているためプラークや歯石が入りにくいと思われがちですが、インプラントの周りにも歯周ポケットはでき、そこにプラークが溜まると歯石に変わります。このためインプラント周囲炎を予防・改善するためにも、日頃から
⑴正しい歯磨きを行うこと
⑵歯科で定期的メンテナンスをうけること
⑶喫煙、睡眠不足、糖尿病等のリスクを避けるため生活習慣を改善する
などが大切です。
今回は歯のインプラント治療を検討されている方や治療済の方に注意すべき要点を述べました。詳しくはかかりつけの歯医者さんにお尋ねください。