数年前に「更地」として購入した土地を、今般、新築工事のため掘削したところ、地中から大量の古い建材の廃材が見つかりました。売買契約時に地中障害物に関する説明は一切ありませんでした。売買から数年が経過していますが、今からでも売主に対して撤去費用の請求や損害賠償請求は可能でしょうか。
地中障害物についての説明が無いままなされた今回の売買は、契約上合意された品質(地中障害物のない土地)を欠いており、買主は売主に対し、契約不適合責任を追及することができます。
但し、契約不適合責任を追及するためには、(売主が目的物の引渡しのときに契約不適合を知っていた、あるいは重過失により知らなかった場合を除き)買主は契約不適合を知ってから1年以内に、当該不適合の通知を売主にしなければなりません。この期間内の通知を怠ると買主は売主に対する以下の契約不適合責任を追及できなくなります(民法566条)。
一般論としては、契約不適合責任として、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しによる「履行の追完」を求めることができますが(同562条)、目的物が特定物の場合、可能なのは、目的物の修補請求であり、今回の場合は地中障害物の撤去請求となります。また、相当の期間を定めて履行の追完(地中障害物の撤去)の催告をしても当該期間内に追完がない場合には、買主は売主に対し、不適合の程度に応じた代金減額請求(同563条)、あるいは売買契約の解除をすることができます(同564条、541条)。さらに、当該契約不適合に売主の帰責性があれば(例えば建材を埋めたのが売主だった等)、債務不履行責任として損害賠償請求が可能です。
このような各種請求権も、契約不適合発見から5年、目的物の引渡しから10年の、いずれか早く到来する時期に消滅時効にかかります(同166条)。相談者の地中障害物の発見時期が土地引渡しから10年未満なのであれば、10年に達する前、且つ、発見から1年以内に、契約不適合のあることを売主に通知し、発見から5年以内、且つ、引渡しから10年以内に契約不適合責任を売主に追及してください。
また、売買契約において契約不適合責任を負わない特約を付することもできますが、売主が知りながら告げなかった事実については特約があっても売主は契約不適合責任を免れません。売主が宅建業者の場合には、通知期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、買主に不利な特約は無効となります(宅建業法40条)。
なお、会社間取引では、商法が適用され、買主は引渡後遅滞なく目的物を検査し、契約不適合があれば直ちに売主に通知をしなければ、また、直ちに発見できない契約不適合でも引渡しから半年以内に通知しなければ、売主に契約不適合責任を追及できなくなりますのでご注意ください。