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税制改正大綱による消費税関係の改正項目について

去る平成21年12月22日に政府が平成22年度税制改正大綱を閣議決定しました。その名の通り税制改正の基本となる項目を決めるもので、例年3月頃に国会で改正法案が可決され、原則として4月1日より施行されることとなります。  今回の平成22年度税制改正大綱には、消費税に関して興味深い規制が設けられていました。会計検査院が指摘し、新聞紙上等でも話題になっていた「賃貸建物引渡し時の自動販売機等の設置による消費税の還付」を大幅に縮減させる改正です。

 その内容は
(1)事業者免税点制度の見直し
(2)簡易課税制度の適用の見直しとなっており、まとめると次の【改正内容】となります。

【改正内容】
①賃貸建物等を取得した課税期間を含む3年間は課税事業者の適用が強制されます
 (改正前は2年間の強制適用期間でした)
②上記期間は簡易課税制度の適用を受けることができません(改正前は適用が可能でした)

【改正による影響を受ける人】
①課税事業者を選択した人 で、かつ
②課税事業者を選択後2年以内に
 賃貸建物等を取得した人

【改正による影響】
 賃貸建物等を取得した場合、その後3年目に一定の方法で仕入控除税額を調整することになっています。自動販売機等の設置により消費税の還付を受けている人は、この調整により3年目の消費税の納付額が多額になります。結果として、1年目に消費税の還付を受けた金額が3年目の国税として徴収されますので、これまでのような消費税の還付の受け得がなくなります。

【改正による影響の具体例】
例えば、自動販売機等の設置により消費税の還付を受けようとする人が
・賃貸建物等の取得時の
 課税売上割合が100%
・賃貸建物等の取得後3年間の
 通算課税売上割合が1%
・賃貸建物等の取得価額が
 1億5,750万円
であった場合には、1年目には750万円が還付されますが、3年目には743万円を納付しなければなりませんので、実際には差引7万円しか還付されていないことになります。

 上記内容は平成22年2月現在の情報に基づいて作成しております。個別の事案については必ず税理士などの専門家にご相談下さい。

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