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空き家対策特別措置法について1

不動産所有者の中には、建物が空き家の状態でそのまま置かれている方もいらっしゃるかもしれません。少子高齢化の影響や介護施設等の利用による空き家の増加が懸念されており、より一層の対策をとる必要がありました。そこで平成27年5月26日より『空き家対策特別措置法』が完全施行されることとなりました。
 この『空き家対策特別措置法』とはどういったものなのかを2回に渡って説明いたします。

・導入の背景
 現状でも空き家問題は多くの地域で発生していますが、今後は今以上に空き家が増加すると見込まれており、より一層の対策強化が求められています。
 空き家が増加すると考えられている理由として以下のようなことが挙げられます。

①土地の固定資産税の軽減特例
 優遇建物がある土地は、土地の固定資産税が最大で1/6まで軽減を受けることが出来るという特例があります。逆に考えると、建物を解体するとその特例を受けることが出来なくなるため、空き家の状態であってもそのまま置いている場合があります。

②解体費用の負担と解体後の運用
 費用を払って解体しても、その後の運用方法(売却・建替等)が決まっていないなどの理由で空き家のままになっていることがあります。

③人口減少・世帯数の減少
 既に人口減少は始まっていますが、世帯数においても2019年をピークに世帯数も徐々に減少傾向にあると国立社会保障・人口問題研究所が推計しています。世帯数が減っても同時に家屋が解体されるとも限らず、その結果として空き家が残るケースも考えられます。

④介護施設の利用
 ここ数年、二世帯住宅という言葉を耳にする機会も増え、国策として二世帯住宅を推進する動きはありますが、それでも未だ親が高齢になっても同居する世帯は多いとは言えない現状です。親の心としては子供に負担を掛けないように、また子としては離れて暮らす親を心配に思い介護施設を利用する場合もあります。高齢者比率が高まるにつれ、親が介護施設に入って、実家が空家となるケースも今後増えていく可能性があります。

 このような理由で空き家になった家屋がもたらす影響として、適切な管理が行われず老朽化した結果、付近や周辺に悪影響がでる可能性があります(【図1】参照)。
 これらの特徴と悪影響は複合的に発生し、放置される期間が長ければ長いほど危険度が増すことを考えると、古い空き家ほど早急な対策が必要となります。
 このような導入背景もあり『空き家対策特別措置法』が完全施行されることとなりました。
 但し、昨年より『空き家対策特別措置法』が施行されることとなりましたが、すぐに全国の空き家を一斉に強制撤去するというわけではありません。

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