令和7年12月19日に税制改正大綱が発表されました。今回はその一部である「直系尊属からの教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税制度」についてお伝えします。
⑴適用廃止
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等について、令和8年3月31日をもって終了することとなりました。
⑵制度の概要
平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に30歳未満の方(以下「受贈者」と言います)が自己の教育資金に充てるため、銀行等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など。以下「贈与者」と言います)から贈与を受けた場合、一定の価額までは贈与税が非課税となります。
⑶対象となる財産の取得(教育資金口座の開設)
①信託受益権を取得した場合
②書面による贈与により取得した金銭等を銀行等に預入した場合
③書面による贈与により取得した金銭で有価証券を取得し、銀行等に預入した場合
⑷受贈者の年齢要件
贈与を受けたときに30歳未満であること
30歳をもって契約終了となり、その時に残っていた受贈財産(管理残額)には贈与税が課税されます。
⑸非課税限度額
1,500万円まで
⑹契約の終了
①受贈者が30歳に達したこと
②口座の残高が0になったこと
③受贈者が死亡したこと
贈与者が死亡した場合、原則として相続開始日時点での管理残高に対し相続税が課税されますが、受贈者が23歳未満であること、学校在学中であることなど一定の条件に該当する場合、契約は継続され相続税は課税されません。
基本的な構造は以上のとおりですが最初に述べたとおりこの特例は令和8年3月31日をもって終了となります。
本制度のデメリットとして、
①贈与者の相続開始時点での残高に対し相続税が課税される
②贈与者、受贈者(または受贈者の親権者)、金融機関の間で三者契約を必要とする
③教育資金として費消後、領収証等を金融機関に持参して預入額から払い出しを受ける必要がある
などが挙げられます。
このため、扶養義務の履行としてその都度贈与する、または年間110万円以下の暦年贈与を継続して行うなどの方法との比較検討も必要となりますが、生まれたばかりの孫が30歳になるまでその都度贈与を続けられるか不安がある方にとっては有効な贈与の手段であるともいえます。
3月31日までと残り期間は短いですが、ご検討の価値はあるのではないでしょうか。