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自治会との契約 -規約で主要な内容を定めているか-

Q.質問

私所有の土地を自治会が貸してほしいと言ってきました。自治会では集会所を造りたいとのことです。自治会を相手に賃貸借契約をする場合、どのような点に注意すればよいでしょうか。

A.回答

まず、契約などの法律行為を行うためには、相手方が権利能力を有することが必要です。自治会は地域住民によりつくられる団体です。そして、団体には法律により権利能力を認められた法人と、権利能力が認められない団体があります。自治会は法人格が認められない団体です。

 法人格のない団体を「権利能力なき社団」といいますが、このような権利能力のない社団でも、民事訴訟法は「法人でない社団または財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。」(第29条)としていますので当事者能力が認められる場合があります。そして、この法人でない社団というためには「団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していることを要する。」(最高裁判決)としています。貴方が契約しようとする自治会が、これらの内容を規約で定めていれば、当事者能力がありますから、自治会を相手にして契約することが出来ます。

 現実に契約する場合、自治会規約を契約書に添付することと、自治会長がいつの総会で選任されたかを明らかにするために、その議事録を添付してもらうのがよいでしょう。また、自治会が市の地縁団体台帳に登録されている場合、自治会の名称や事務所の所在地、代表者に関する事項、規約に定める目的等が記載された証明が市長から発行されますので、その証明を添付するのも一つの方法です。こうした、自治会規約もなく、事務所も会長自宅持回りとしているような自治会を相手方として契約するのは勧めかねます。このような場合は、自治会の臨時総会を開いて、自治会規約を作成するよう求めるべきで、それらが完成した後に契約する方がよいでしょう。

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