最近、大人でも、ワクチン接種を行ったか質問される場面が増えてきました。子どもでは「母子手帳」を見るとわかることが多いですが、大人になると、自分の母子手帳がどこにあるかわからない方がほとんどです。今回は、予防接種について聞かれた時に役立つ成人用予防接種記録手帳のご紹介です。
大人でもワクチン接種の記録は大切で、貴重な情報です。子どもの時は、母子手帳を保護者が持っていて、その情報は把握されていることが多いようですが、大人になると、本人は覚えていない、母子手帳も実家にあるかどうか・・・となります。ただ、予防接種をしたかどうかの記録は一生もの。それを記録するためのツールを国立感染症研究所が作成、開発しました。それが成人用予防接種記録手帳です。
☆大人が受けるべき予防接種
①肺炎球菌ワクチン: 加齢により免疫機能が低下するため、特に推奨されています。
②インフルエンザワクチン: 毎年接種することが推奨されます。
③帯状疱疹ワクチン: 大人になってからかかると重症化しやすいため、接種が勧められています。
④百日咳ワクチン: 子供の頃に接種していても、免疫が弱まっている可能性があるため、追加接種が推奨されます。
⑤麻疹、風疹、日本脳炎: これらのワクチンも、必要に応じて追加接種を検討することが重要です。
☆予防接種はどんな人が受けるべきか
予防接種は、特に、病気にかかりやすい人や病気が重症化しやすい人にとって重要です。以下どのような人が予防接種を受けるべきかの例です。
1.高齢者
加齢により免疫機能が低下するため、肺炎球菌、インフルエンザ、帯状疱疹、百日咳などの予防接種が推奨されています。
2.妊娠前の人
妊娠中は免疫機能が低下します。麻疹(はしか)や風疹などの病気は、胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠前にインフルエンザ、麻疹(はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)などの予防接種が勧められています。
3.現在の予防接種制度で必要とされているワクチンを過去に受けていない人
生まれた年代によって、現在は全員が受けるべき予防接種を受けていない場合があります。麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、B型肝炎、日本脳炎、百日咳、破傷風などがこれに該当します。大人がかかると重症化したり、妊娠中の人にうつすと大きなリスクがあるため、成人後の接種が推奨されています。
4.海外渡航者
海外には、日本であまり一般的でない病気も存在します。渡航先や渡航目的、自分の健康状態などに応じて、適切な予防接種を受けることが重要です。
近年、様々な感染症に対応したワクチンがあるため、大人でも自分のワクチン接種記録が重要になるため、今回特にお勧めしました。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html
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