父から相続した土地が兄と私との共有名義になっています。私はこの土地を兄の持分も一緒に売却したいのですが兄が反対しています。どうすればよいでしょうか。
共有土地全てを売却して代金を共有持分で分配するのは、共有物分割の一方法です。
共有物分割とは︑対象物の共有状態を解消することですが︑これには共有者全員の同意を要します。
共有物分割の方法として︑現物分割(対象物を物理的に分割して各共有者が分割後の対象物を単独で所有する方法)︑代償分割(全面的価格賠償とも言います。一部の共有者が他の共有者から持分を買い取って単独所有者となる方法)︑換価分割(対象物を売却して代金を共有者の持分に応じて分配する方法)があります。なお︑土地の現物分割は対象土地を測量のうえ分筆することになるので費用が嵩みがちになります。
話合いで︑いずれかの方法で共有物分割の合意ができれば良いのですが︑いずれの方法でも合意ができない場合には︑共有物分割を求める調停か訴訟を裁判所に申し立てることになります。
調停は裁判所で行なう話し合いです。訴訟を提起しても裁判所の判断で︑調停に付される場合もあります。調停では裁判官や調停委員が当事者間の意見を調整します。その結果︑共有状態の解消に向けた合意ができれば合意事項を記載した調停調書が作成され︑合意に従った方法での分割を行なうことになります。
調停でも合意ができなければ︑訴訟で解決せざるを得ません。裁判所は訴えを提起した者が希望する分割方法には拘束されず︑裁判所が適切と判断する方法での分割を判決で命じます。但し︑代償分割が判決で命じられるのは︑当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当と認められ︑価格が適正に評価され︑対象物取得者に支払能力があり︑他の共有者に価格のみを取得させることにしても共有者間の実質的公平を害さないと認められる特段の事情があるときに限定されます。また︑換価分割は︑判決では対象土地の競売を命じる形になります。競売なので市場価格よりも低い額での売却になるのが通常です。
共有者の一部が分割を希望する場合︑共有物の分割をいつまでも拒否することはできません。分割方法は︑話し合いで解決できれば共有者全員にとって経済的にもメリットがあります。相談者も兄弟間で︑相談者が売却したい理由や兄が反対する理由等をじっくりと話し合い︑双方の折り合いがつく着地点を探してみてください。