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日照紛争と仮処分-どのような手続きですか…-

Q.質問

私の家から道路を隔てた南側の土地に、高層マンションの工事が始まりました。マンションが建築されると、私の家の日照はほとんど阻害されることになり困っています。建築主と話し合いたいのですが、建築基準法に合致した建物だと応じません。知人は「仮処分」をしてはどうかというのですが、仮処分とはどのような手続きなのでしょうか。

A.回答

建築基準法に適合した建物が建てられる場合でも、受忍限度を超えるような場合は不法行為となることもあり得ますので、この場合は裁判を提起する必要があります。しかし、裁判を堤起して判決を得るには相当長い年月を必要とします。それではマンションが完成してしまいますので、こうした場合には、マンション建設中止を求める仮処分を申請します。仮処分とは非常に急がないと具合が悪くなるような場合のための略式の手続きと云えます。この場合、仮処分を申請する側を「債権者」、申請する相手方(この場合マンション施工業者)を「債務者」と云うことになっています。

 仮処分は暫定的で仮のものですから、本案訴訟を提起することが求められます。仮処分決定がなされる場合、仮処分決定は(債務者は…マンション建設工事を続行してはならない)として工事を止めますので、債務者の損害を担保するため保証金を納めなければなりません。高層マンションの場合、相当多額の保証金を納める必要があると考えます。こうして得られた仮処分も、後で、本案訴訟で敗訴すると仮処分決定は取り消されます。とは云うものの日照権に関する仮処分については、必ず裁判所による審尋が行われますので、話し合いの余地が大きく、高層マンションであっても多少の設計変更で和解が出来る可能性が大きいのです。マンション施工主としても、多少の手直しをしても、早期解決が出来るならば、その方が有難いのです, 裁判所の審尋手続きの中で債権者、債務者双方の合意が出来て、仮処分手続きで和解が成立しますと、本訴を堤起するまでもなく事案は解決しますので、債権者、債務者相互に有用である筈です。以上が仮処分手続

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